私たちの障がい者グループホームでは「こころ・からだ・食・健康」という4つの視点を大切にして運営できないかと考え、いくつかの取り組みをしてきました。
こころとからだのバランスを整え、いつでも入居者の方々が健康に暮らしていくためには「食」という視点も必要です。「健康な食材を食べていただきたい」という発想から、「自分たちの食べるものは自分たちでつくりたい」という考え方が芽生えてきたのです。
もちろん、「すべての食材を自分たちで」ということをすぐに実践することは難しいため、身近な取り組みから出発することになりました。
それがグループホームの庭での菜園です。小さな「菜園」なのですが、自分たちが育てた野菜を自分たちで食べていくという取り組みを昨年から続けているのです。
私たちのグループホームで「自分の食べる物は自分でつくるという自給自足の考え方」を導入することは困難ではありますが、私たちのグループホームに入居されている方々の身体について気に掛けること、その姿勢を実践することはできると考えたのです。その試みが「小さな菜園」の取り組みなのです。そうした取り組みをすることを通して、自分自身、あるいは共に暮らす仲間の「身体」を気に掛けていこう、と考えたのです。
「健康な野菜」をつくるには、しっかりとした農法を学ぶことが必要ですから、できるだけ「自然農法」に近い野菜づくりをめざしていきたいと思っています。
昨年はたくさんのキュウリやトマトを収穫することができました。収穫したキュウリとトマトをグループホームの朝食や夕食で食べることができました。そればかりでなく、入居者のご家族や地域の方々に食べていただいたこともありました。いつもお世話になっている方々に少しでもお礼をという気持ちからです。みなさん、喜んでくださり、「新鮮なお野菜をありがとう。美味しかったよ」と言ってくださる方もいらっしゃいました。反応があるということは、本当に嬉しいですね。
今年はすでに小松菜やちぢみほうれん草を庭で育て、入居者の方々に提供させていただきました。「あのほうれん草、本当に美味しかったですよ」と入居者の方々が言ってくださると、なおさら、野菜づくりに力が入ります。だから、今年もまた、キュウリとトマトを作ってみたいと思いました。4月に苗を植え、少しずつ成長しはじめ、キュウリとトマトに花が咲き、トマトには実がなってきました。親の気持ちになって、毎日、キュウリとトマトを気に掛けています。
これからの野菜づくりが楽しみでなりませんね。
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