特定非営利活動法人縁パワー理事長の山田育男と申します。
特定非営利活動法人縁パワーは法人格を取得し、活動をスタートすることになり、大学での講演及び講義等の活動をしながら、具体的な事業に着手しはじめました。それが障がい者グループホームの運営です。
武蔵村山市を拠点に私たちがグループホームを開設して8年が経過しましたが、あらためて、私たちがグループホームを立ち上げた理由について考えていきたいと思います。
両親が高齢を迎え、将来的に自分の子どもの生活が不安だったり、障がいを持っているために一人暮らしでの生活が困難だったり、親から虐待を受けていたり、就労は可能だが生活の援助が必要だったり、様々な理由でグループホームを利用する方々がいます。しかし、障がい者グループホームのニーズはあるものの、住んでいる街にグループホームの空きがなかったり、障がい者本人にマッチしたグループホームがなかったりするなど、ある自治体では「グループホーム2~3年待ち」という状況もあるとのことです。
住まいは生活の器です。住まいの数が少ない状況を改善したい、安心した住まいを確保したなかで就労を安定させたい、少しずつできることを増やして強みを見つけてもらいたい、など、生活をサポートすることを通して自己肯定感が高められる、そんなグループホームを追求したいと思ったのです。
障がい者グループホームを開設するうえで、私たち法人がめざす理念のもと、どのようなコンセプトで運営するかが大切だと考えました。
私たちの運営する障がい者グループホーム事業「縁パワーハウジング・ウェイ」のコンセプトは以下の通りです。
「障がい者一人ひとりがその人らしく生きることができるよう、障がい者が大切にされる住まいと暮らしを守り、誰もが出番のある社会に!」
今後も私たちのコンセプトのもと、「新しい住まいのあり方」を追求して参りたいと思っています。
何卒よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人縁パワー 理事長 山田 育男
【 プロフィール 】
■ 山田 育男(理事長)
福岡教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。高校教員を退職後、自閉症児・不登校生徒・中途退学者・ひきこもりの若者・ホームレス状態にある者・生活困窮者・精神障がい者支援に携わる。住まいの貧困に取り組むネットワークに関わりながら、生活困窮者連絡協議会世話人を務める。高等学校教諭免許状(商業・公民)、ホームヘルパー、ジョブコーチ資格取得。連合総研『社会的困窮者・就労困難者の現状と各種支援策の効果に関する調査研究報告書』の研究委員を務める。論文「住宅手当制度の現状と課題」(DIO.2012)、「住宅支援給付の実態と今後の方向」(2013年11月、日本住宅会議シンポ)、共著論文「生きづらさや働きにくさを抱える方々を支援する地域社会の役割についての考察」(九州共立大学『2021 地域連携推進センター 研究紀要 第4号』)。教育関連論文「教師集団としての『世代の自治』論」(『高校生活指導』1999年)、「学校アジール論序説」(前掲書・1999年)、「いかに学校アジールを獲得できるか」(前掲書・2000年)、「それでもわたしが『班』にこだわる意味とは何か」(前掲書・2000年)、「命懸けの飛躍」(前掲書・2002年)、実践記録「居場所を拠点にした世界づくりを地域社会に~『ひとりじゃない、就活講座』の活動記録」(『教育』2010年)、「『ひとりじゃない、就活講座』活動記録」(『高校生活指導』2011年・189号」)、連載論文「学校教育における『居場所』論再考」(縁パワーブログ)、「出口から問い直す進路保障」(『リベラシオン』)など。編著『この学校がオレを変えた』 (ふきのとう書房)。冊子『人が大切にされる住まいと暮らしを』(住まいの貧困に取り組むネットワーク編)。福岡県人権研究所会員。現在、当法人の運営する障がい者グループホーム「縁パワーハウジング・ウェイ」の管理者及びサービス管理責任者を務める。2021年、武蔵村山市内で就労継続支援B型事業を運営する「NPO法人かたくり」の理事を退任。日本民藝館友の会会員。手仕事フォーラム正会員。東京こけし友の会会員。座右の銘「大切なことは、どれだけたくさんのことや偉大なことをしたかではなく、どれだけ心を込めたかです」(マザー・テレサ)