2016年12月23日(金)、NPO法人縁パワーの忘年会を行いました。参加者は入居者3名、理事及び監事、正会員を含めて6名、合計9名でした。
今回の忘年会は、当法人1周年記念イベントも兼ねていました。法人が1年間運営することができたのも、グループホームの入居者とともに、当法人を応援してくださる方々がいらしたからこそ、です。また、できるだけ多くの会員の方々にどのような入居者の方々がグループホームにいらっしゃるのかを知っていただきたいという願いもございました。
入居者も「自分たちを応援してくださる会員の方々は大歓迎!」ということもあって、「忘年会が待ち遠しい」とワクワクなさっていました。
今回の忘年会ははじめてお会いする方々もいらしっしゃいましたので、顔合わせまでドキドキなさっていました。忘年会をはじめる前に、あらかじめグループホームに来られた際に会員の方々にまずはご挨拶をしてから忘年会の会場に移動することになりました。最初にご挨拶からはじめたこともあり、緊張感もほぐれ、会場までみなさんと一緒に行くことができ、忘年会がはじまる前から「関係性」がつくられたのも良かったです。
今回の忘年会は、第1部食事会、第2部カラオケ大会でした。
私たちのグループホームは、イベントや自分たちがしたいこと、生活上の約束事などを、できるだけ入居者の方々の声を尊重したいという考えから、「入居者主体のグループホーム・ミーティング」を行っています。今回の忘年会も1ヶ月前からミーティングを行い、どんな忘年会にしたいのか、12月の何日に行いたいのか、食事の場所をどこにするのか、忘年会ではどのようなことをして楽しみたいのか、など、検討することはいっぱいありましたが、入居者からたくさんの意見を出してくださいました。
第1部の食事会では、理事長の私の簡単な挨拶、入居者及び会員の皆様の自己紹介、副理事長からの乾杯の挨拶を交わし、食事をしてから、入居者の方々にいろんな話をしていていただく時間を設定致しました。
グループホーム・ミーティングでは入居者の方々に話していただくテーマをお伝えしていましたが、当日は入居者が話しやすいようにホワイトボードを用意して、話していただくテーマを書くようにしました。
テーマは3つです。
・グループホームに入って嬉しかったこと
・グループホームに入って自分が成長したなあと思うこと
・今後、挑戦してみたいこと
入居者の方々は自分がお話される内容をあらかじめ用意されていたようで、「○○さん、よろしくお願い致します」と促すとすぐにお話をしてくださいました。もちろん、お話をするのは緊張なさっていましたが、入居者のみなさんを心から応援してくださっている方々ばかりが参加しているため、安心感があったのか、自分の思いを語ってくださったのです。
2人の語りを以下に紹介したいと思います。
Bさんは「グループホームに入って嬉しかったこと」として、次のようなことを語ってくださいました。
「グループホームに入って最初はみなさなんに仲良くしてもらえるか非常に不安でしたが、みなさんに挨拶をしてもらったり夕食などで気軽に話したりすることができるようになりました。それが何より嬉しかったことですね。作業所に通っているのですが、これもグループホームと同じで、最近では少しずつそこで働いている方たちとお話ができるようになったり挨拶をしてもらったりして、気に掛けてもらえることが嬉しいです。それに作業所では自分のペースで仕事をさせてもらっています。スタッフの方には自分の仕事が終わると報告するのですが、仕事の仕上がりをしっかり褒めてくれるのですね。ここまでできたから、次はこの仕事をやってくださいねと丁寧に仕事の仕方を教えてくれて、それが嬉しいです」
新しい住まいや職場に通うことはそれだけでも不安なことが多いと思います。Bさんも最初は不安なことが多かったようですが、グループホームや職場での人間関係が少しずつできるようになり、自分を気に掛けてもらえたことが嬉しかったということですね。
Bさんは今では、作業所でなくてはならない人になっているようです。働く人たちから頼られる存在です。自分が職場で役に立っているということが安心して働き続けられる気持ちになったということです。
Bさんはいつも夕食の時に仕事場のことについて楽しそうにお話をしてくださいます。Bさんのお話をお聞きするのが、毎日の楽しみになっています。
もう1一人の入居者Cさんの語りも実に考えさせられる話でした。
Cさんは一般企業の障害者雇用で働いているのですが、最近、異動があって近くの職場に移ったのですが、その現場でCさんは非常にかわいがってもらっているそうで、働きやすい職場に出会ったことが嬉しいことだと話されていました。
Cさんは職場だけでなく、本当に人間関係に恵まれています。Cさんは地域に根差した暮らしをしたいという願いがあり、武蔵村山市のボランティア活動に取り組んでいらっしゃるのですが、その手話サークルの参加者にもあたたかいまなざしでかかわっていただいているようです。サークルに入って人間関係がうまくいくか心配だったようですが、すぐに気に掛けられ、頼られており、Cさんにとって手話サークルは「居場所」になっています。本当に良かったですよね。
あらためて入居者の方々の「語り」をお聞きして共通して感じたことは、以下の事柄です。
入居者のお話に共通する視点は「自分を受け止められたこと」が非常に嬉しいことだったということですね。人は自分のことを受け止められることがあってはじめて生きる意欲を持ちます。グループホームでも職場でもサークル活動の場に「居場所」を感じることができたのも、「ここにいてもいいんだ」「自分がみんなの役に立っているんだ」「気に掛けてもらっているんだ」という手応えがあったからです。
また、2人の入居者にとって「職場」はやりがいがあり、ほめてもらえ、自分の力を発揮できる場だったということですね。
そうした自分の力を発揮できる働く場がしっかりあるからこそ、グループホームで安心して暮らすことができるのだと思います。
出番のある職場と自分のペースで暮らせる住まいの両輪こそ、大切な視点であるということを入居者から学んだ気がします。
入居者の方々の「語り」の後は、会員の方々からの質問だなどで、さらに入居者の「語り」を深め合いました。そうしたやりとりを通して、入居者の方々はさらに「受け止められた感」が増していきました。
第1部の最後は、法人が1年間運営できたお礼としてクリスマスプレゼントを入居者と会員の皆様に贈りました。とても喜んでくださいました。
第2部はカラオケ大会です。
第1部に参加なさった方々全員がカラオケ大会に参加されましたので、非常に盛り上がりました。
まずは入居者の方から歌いはじめ、次に会員の方々も歌ってくださいましたが、人が歌っている時でも参加者全員がノリノリで、場を盛り上げてくださいました。だから入居者の方々も楽しみが倍増です。
もちろん、カラオケを歌われない方もいらっしゃいましが、入居者の方や会員の方々と雑談したり手拍子をなさったりと、一人ひとりがその場を楽しまれていました。
カラオケ大会はだんだんと1人で歌うのではなく、デュエット曲も多くなり、場はかなり盛り上がりました。
入居者の方と理事長は「みちのく一人旅」をデュエットで歌うと、別の入居者の方が「ハイスクール・ララバイ」を歌いませんかと私に誘ってきましたので、入居者と一緒にダンスを2人でしながら、場をさらに盛り上げることができました。
参加者みなさんが力一杯歌い切り、最高に楽しんで、カラオケ大会は終了しました。
忘年会が終わり、年が明けても、夕食時に入居者の方が「一緒にデュエットしてくれて、盛り上げてくれたので、本当に楽しかったです」と話してくださいます。
入居者及び会員の方々と一緒に語り合って、歌い合って、楽しむことができたことが、なにより幸せでした。
参加者の皆様に心より感謝申し上げます。
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