2016年8月28日(日)の午前9時30分、私たちのグループホーム1階台所に集合していただき、入居者と一緒にはじめての「防災訓練」を行いました。本来は、小中一貫校・村山学園にて総合防災訓練に参加する予定でしたが、雨で中止となり、急きょ、私たちのグループホームで防災訓練を行うことになったのです。
防災訓練の進行役は、私の友人で、私たちのグループホームの健康アドバイザーをしてくださっているKさんが担当しました。Kさんは私たちのグループホームの入居者パーティーや、入居者の誕生日会等に積極的に参加してくださっている、信頼できる私たち法人の応援団の1人です。
また、Kさんは7月よりこころとからだと生活への統合的アプローチによって、当事者の健康、安心感、活動力、創造性、勇気、精神的豊かさを取り戻す取り組みを入居者に提供してくださっています。そのため、入居者の方々はKさんを心から受け入れているようで、Kさんの指示にしたがって、スムーズに防災訓練が進められました。
※急きょ、グループホームでの防災訓練となりましたが、Kさんはかつて精神障がい者の方々が暮らすグループホームで防災訓練のチーフをされていたこともあって、その経験を活かし、すぐに防災訓練内容を組み立ててくださいました。この場を借りて感謝申し上げます。
防災訓練の目的は以下の通りです。
・助け合いながら団体で行動する。
・お互いの安全の確認と落ち着いて安全な行動がとれるようにする。
・「誰かがしてくれる」ではなく、各自が責任を持って、役割を行う。
・避難場所と避難場所までの経路を周知する。
設定:グループホームでスタッフが昼食準備中。Jさんはスタッフと一緒に台所におり、Yさん、Oさん、Sさんは、2階の自室で待機。料理中に地震が発生、調理台に置いていた野菜の袋が転がり、火が燃え移ってしまう。
当日の流れ
9:30 グループホーム1階台所に集合。
防災訓練の詳細を説明します。
①備品チェック ②避難場所 ③消火器の位置確認
10:00 訓練開始
10:02 地震発生(振動時間、1分間)
【1階】台所で調理中。ガスコンロ使用。
① スタッフ火を消す。(すでに野菜の袋に火が燃え移っている)Jさんに机の下に身を隠すよう、声掛け。
② 揺れがおさまるまで、テーブル下に頭を入れて待つ。
③ スタッフJさんに、2階にいる方を呼んでくるように声掛け、同時に消火活動に入る。(すぐに鎮火)
④ Jさん揺れが収まったら、2階に上がり「Yさん、Oさん、Sさん大丈夫ですか?台所に降りてきてください」と大きな声で掛け。
⑤ 備品を取りに自室へ。部屋履きを履く。準備したら台所で待機。
【2階】Yさん、Oさん、Sさん
① 揺れがおさまるまで、頭を隠して待つ。
② 揺れがおさまり、Jさんの呼び声がかかったら大きな声で返答する。
③ 備品を持って玄関へ行き、1階のいる人が無事か確認する。
※揺れが収まるまで、決して外へ飛び出さないこと。
9:50
【合流】
① お互いケガがないか確認し合う。
② スタッフ
GH責任者へ連絡。全員無事であることと、これから市立第九小学校へ移動することを伝える。
③ 持ち物確認。
10:00
【避難】 グループホーム→市立第九小学校まで
①スタッフ隊列を指示する。前方より、スタッフK、J、O、S、Yとし、縦1列に整列して移動。
②Yさん後方から隊列と安全確認を行う。隊列が乱れたり、車などが通る際は声掛けで知らせる。
※移動中、危ない所には近づかない。道が塞がれている場合は、違うルートで行く。
10:05
【避難先到着】
① Yさん点呼を行う。(人数はそろっているか?ケガはないか?)スタッフへ報告する。
② スタッフGH責任者へ全員の無事と避難先到着の旨を報告する。
10:10
【終了】全員一緒にグループホームへ戻る。
10:15
【振り返り】グループホームにて防災訓練の振り返りを行う。GH責任者も合流。
【入居者の感想】
Yさん:避難する際、右よし左よしと指先確認をすることで、周りの状況を見るのが安全の基本になる。周辺は集合住宅なので、瓦礫は少ないかもしれないが、ドアを開けるときも落下物などに気をつけないといけない。ドアを固定するものがあった方がよいのではないか?緊急時の1次避難場所以外の避難場所も確認したい。2階には避難はしごが必要ではないだろうか?できればAEDもあった方が良い。
Oさん:みなさんが言う通りだと思う。災害時の情報源は大事なので、ラジオがあると安心。
Sさん:小学校に行くまでの道が狭い。5,6人の人数で移動するのは問題なくても、実際の災害時にはいろんな人が避難していると思うので、そうした状況で訓練できると良いと思う。列に割り込んでくる人もいるかもしれないと思った。大勢の人にまぎれないように、集団行動をとることが大切。
Jさん:地震がおさまって2階の人に声をかけた時に、Sさんの声が分からなかった。返事は大きな声でしてもらわないと、大丈夫かどうかわからない。全員がちゃんと揃って一緒に避難できるように、任務を全うできた。
責任者、進行Kさんより・・・当初は地域の総合防災訓練参加予定であったが中止となり、いろいろな変更があった中での避難訓練であった。お互い協力し合いながら、集団で行動できたことが良かった。また、一人一人が振り返りの言葉を持っていた。指示がなかった点に関しても、自ら帽子を用意するなど、それぞれの入居者が、問題意識を持って考えて行動されていた。訓練は単発ではなく、定期的に何度も重ねることが実際の行動能力となると考える。返事が聞こえなかったということに関しては、返ってこなかったことを責めるばかりでなく、自分の声が届いていたか、相手にとって聴きとりやすい声であったか、相手が部屋の中で声が出せない状況ではないのかまで、配慮できることも必要であることを確認し合った。
グループホームを開所してはじめての防災訓練でしたが、入居者全員が積極的に取り組みに参加されたことや、振り返りの時間では自分の意見を自分の言葉ではなされていたことがとても印象的で、「手応えありの防災訓練」となりました。
※ちなみに、防災訓練の実施要項や報告書は、進行役のKさんがまとめてくださいました。その資料をもとに文章をアレンジメントさせていただきました。
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