今年の憲法記念日(2017年5月3日)は、以下の2つの著書を再読しました。
1つは、井上ひさしさんの『子どもにつたえる日本国憲法』(講談社)です(この著書の挿絵はいわさきちひろさんです)。
もう1つは、柄谷行人さんの『憲法の無意識』(岩波新書)です。
2冊とも読み応えのある著書でした。
今回は、井上ひさしさんの本をご紹介致します。
※柄谷行人さんの著書は、非常に大切な視点を語っており、今後、内容を整理してご紹介致します。
井上さんの著書は、未来の社会を生きる子どもたちにやさしく、そして力強く語りかけています。
私はこんな文章を読んで、心が熱くなりました。
もう二度と戦(いくさ)はしない(第九条)
私たちは、人間らしい生き方を尊ぶという
まことの世界をまごころから願っている
人間らしく生きるための決まりを大切にする
おだやかな世界を
まっすぐに願っている
だから私たちは
どんなもめごとが起こっても
これまでのように、軍隊や武器の力で
かたづけてしまうやり方は選ばない
殺したり殺されたりするのは
人間らしい生き方だとは考えられないからだ
どんな国も自分を守るために
軍隊を持つことができる
けれども私たちは
人間としての勇気をふるいおこして
この国がつづくかぎり
その立場を捨てることにした
どんなもめごとも
ことばの力をつくせば
かならずしずまると信じるからである
よく考えぬかれたことばこそ
私たちのほんとうの力なのだ
そのために、私たちは戦(いくさ)をする力を
持たないことにする
また、国は戦うことができるという立場も
みとめないことにした
井上ひさしの言葉の威力が子どもたちばかりでなく、日本の多くの人たちに届くことを切に願うとともに、これからも憲法の大切さを考え、身近な人たちに伝えていければと思っています。