2017年1月1日(月)、新年の挨拶をするため、実家に住む両親に久しぶりに会いに行きました。
実家に到着するや否や、両親に新年の挨拶を交わした後、両親から「畑で野菜がまた収穫できたから、持っていくか? グループホームでも必要じゃないか。こっちからしたらみなさんに食べていただいたほうが嬉しいよ」と言うので、家から少し離れた畑へ両親と一緒に行くことにしました。
ところで、私の両親は昔から「自分のことよりも人のこと」を考える親、言い換えれば、人に喜んでいただくことを大切にする親ですね。実家はもう50年以上も店を経営しているのですが、店にお客様の子どもがいらっしゃると、「ちょっと待ってくださいね」と言って部屋の奥に行って、アイスクリームだとか饅頭だとかせんべいだとかメロンだとかスイカだとか持ってきて、「持って帰って」と幼い子どもに渡すのです。幼い子どもが美味しそうに食べている姿を見るのが楽しいのでしょう。お客様に、人に喜んでいただくことを何より大切にしてきた親でした。
考えてみると、両親はその食べ物を自分の息子たち(三人兄弟)にと思って買ってきたものであったにもかかわらず、お客様の子どもを見るとすぐにあげてしまうのでした。そういう親でしたが、私も大人になって、年を重ねていくと、親のしてきたことの意味がわかるようになってきましたね。
そういう親ですので、畑で育った多くの大根やネギ、チンゲン菜を獲って、「とにかくこれ、持って帰っていいから!」と自分たちが食べる分の野菜まで持ってきて、私の自動車に詰め込みました。両親には感謝の意を表してグループホームへ戻ったのでした。
年末年始はご実家で過ごされていた入居者のみなさんがグループホームに戻った夕食は、両親からいただいた大根やネギ、チンゲン菜を材料にした料理を提供しました。冬の夜は寒い日が続いていたことや、栄養のあるものを食べてほしいという思いから、「ちゃんこ鍋」「肉みそ大根」、次の日はチンゲン菜を多めに使い、厚揚げ、肉、コンニャク、しめじ等を炒め、七味唐辛子等の調味料を入れて料理を提供しました。
ご実家から帰られた後の夕食だったので、「ちょっとグループホームの料理を食べてないと山田さんの料理を早く食べたくなるんじゃないのって親から言われましたよ」と言ってくださる入居者や、「やっぱりグループホームの方が美味しいと思います」と言ってくださる入居者もいらっしゃいました。
まだまだ料理は勉強中の身ですが、お世辞でもそういってくださる入居者の言葉は非常に嬉しく、励みになりますね。感謝です。
当法人の理事がこんなことを言っていました。
「山田さん、山田さんがつくった料理を毎日残さず食べてくださる入居者の方々がいらっしゃるなんて、すごいことなんですよ。食べるって、作ってくれる人に安心感がないと食べられないのですからね。料理を食べてくださっていることだけでも、山田さんと入居者の方々との良い関係がわかります。日々いろんなことがあるにせよ、自分が取り組んできたことに、もっと自信を持ってもいいのではないですか」
有難い言葉ですね。
むしろ、私の方が入居者の方々に励まされ、成長させていただいているのだなあと強く感じた次第です。
この場を借りて感謝申し上げます。