心の中に「親」がいるから、寂しくない
2018年3月10日の夕食は、久しぶりにBさんと一緒に外食することにしました。その自動車の中で、Bさんが感動的な話をされ、今でも私の心に残っています。
普段、Bさんは人に対する礼儀や挨拶をしっかりされる方です。そのBさんと礼儀や挨拶についてお話をしている際、私はBさんにこんな話をしてみました。
「子どもの頃、私はデキが悪かったので、親から叱られることが多かったんですね。でも、いつも親から『頭が良くなくてもいいから、人に可愛がられる人間になりなさい』と言われていました。親から口うるさくそのことを言われることがあって、人に対する礼儀や挨拶のことでよく叱られましたね。当時はその意味が何なのかあまりわからなかったのですが、年齢を重ねてきて、いろんな人とかかわりを持つことが多くなってくると、親が口うるさく言っていたことの意味が、理解できるようになりましたね」
すると、Bさんはこんな話をしてくださったのです。
「山田さん、自分もそうですよ。父親からも母親からも、とにかく人に対する礼儀や挨拶をしないといけない。それができれば人はよく見てくれるよ、って言ってましたね。もう父親は亡くなりましたけれど、そう言ってくれたことに自分は感謝しているのです。子どもの頃は自分の父親から叱られることが多かったですが、今の自分はそうやって父親や母親から注意してもらったからこうして生きていられるんだ、って思います。父親が亡くなっても、自分の心の中に父親がいるから、自分は寂しくないんです」
「自分の心の中に父親がいるから、寂しくない。とても深い言葉で、すばらしいですね」
「山田さん、父親から言われたこと、今でも思い出すんですよ。だから、いつも自分の中に父親がいるんです」
私の父親はもう80歳を超えています。Bさんが話された言葉の意味は、今の私にとても響きます。現在、両親と私は離れて暮らしていますが、私の心の中にいつも「親」がいます。そうした関係性を築いてきたのだと思っています。
Bさんとのやりとりを通して、私にとって大切なことを考えさせられたのだと思います。
Bさん、ありがとうございます。