歴史から学ぶ2 ~米国一極支配の25年間~
認知症高齢者グループホーム勤務
社会福祉士 佐藤 信行
1991年にソ連邦が崩壊し、以降米国一極支配が始まります。自由競争、自由貿易により、人、物、金が国境を越えて激しく移動します。また米国は十字軍的精神で、世界中で起きている紛争を、金と軍隊の力で解決しようと試みます。中東に介入し湾岸戦争でフセイン大統領のイラクを懲罰します。しかし、米国の軍隊がイスラムの土地に駐留することに怒りを覚えたウサマ ヴィン ラディンが2001年9月11日にニューヨークで旅客機を用いたテロを起こしました。
ソ連邦が崩壊して10年後にニューヨークでテロが起きました。米国はテロ撲滅のために、[テロの黒幕はフセイン大統領で、大量破壊兵器を隠し持っている]と決めつけ、再びイラクを攻めフセイン大統領を処刑しました。その結果、中東の秩序を維持していた中東で一番強い国スンニ派イラクが崩壊したため、中東全域で、シーア派勢力対スンニ派勢力を対立軸とする地域紛争が勃発します。米国は中東の秩序維持のために、約10年に渡りイラクとアフガニスタンに米軍を派遣して、国力と米国の人々の心を疲弊させました。
ニューヨークのテロから10年後、2011年3月11日に東日本大震災が起きました。日本は地震と津波と放射能汚染により甚大な被害を被ります。
2014年に、米軍はアフガニスタンから撤退します。米軍と入れ替わるように、シリアとイラク国境付近よりIS(イスラミック ステート)が勃興します。米軍撤退後の中東は混乱を極め、多くの犠牲者を出してます。ISはモスル、ラッカ(二大拠点)撤退以降も、その活動地域を世界中へ拡散させ、現在もテロを継続中です。スンニ派勢力であるISのプレゼンス(軍事的、経済的影響力)低下以降は、イラン系シーア派勢力がこの地域のプレゼンスを示すために軍事基地や兵器工場を建設しています。結果、敵対勢力であるイスラエルとゴラン高原をめぐり、一触即発の事態となっています。