歴史から学ぶ４　～国民国家の融解と帝国の勃興～

 

歴史から学ぶ4

～国民国家の融解と帝国の勃興～ 　  

 

　　認知症高齢者グループホーム勤務   

 

　  社会福祉士　佐藤　信行

 

　国境を越えた人、物、金の自由な移動が、超大国以外は一国のみで自国の生存権を脅かす問題を解決することができない世界に、私たちは生きてます。近い将来、国民国家の融解は、同時進行で周辺国と融合を産み、その周辺国を従える大国による帝国が誕生すると考えます。帝国の単位は一つの文明圏であり、その構成は、[宗教、言語、文化、風俗　等]の近しい国々で形成されると考えます。例えば日本は、北東アジアに位置し、同じ儒教国である韓国と融合し、日本と韓国と北朝鮮を従える中華人民共和国による中華帝国が誕生する具合です。

　ユーラシア大陸ではロシア帝国、中東はトルコ帝国、欧州はドイツを盟主とする第四帝国、英国はUK 、北米と南米は米帝国が統治し、帝国の元首たちは地球を六つに分割統治する青写真を描いていると、私は仮説を立てます。膨張する帝国が、内側に閉じてゆく方向へ舵を切り替え、帝国の内側で自給自足する六つのコスモロジーが共存する世界です。

　この仮説に従えば、日本の選択は、中華帝国の東の辺境となるか、米帝国の西の辺境となるか、別の道を模索するかの三つと考えます。人権を軽視する中央集権覇権国家中華帝国の秩序に従うのは好ましくありません。私は、米帝国の西の辺境ではなく、あえて第三の道を模索したいと思います。それは、日本と韓国と台湾の連帯です。この三国が手を組み、人権思想に立脚した自由と平等とのバランスを模索した国作りを目指し、帝国と対峙するのです。

　続く