認知症高齢者グループホーム勤務
社会福祉士 佐藤 信行
[核戦争後の世界]をテーマに近未来を描いている作品がありますね。例えば、マッドマックス、北斗の拳、風の谷のナウシカ、ムーミン 等です。私は、私たちの生きるリアルな世界では、大規模核戦争は起こらないと考えます。その替わりに、米国一極支配のグローバリズムが、イスラム文明圏との衝突により国力を摩滅させながら緩かに終焉し、地球は六つ程度の文明圏で分割され、それぞれの文明圏を統治する帝国(中華帝国、ロシア帝国、トルコ帝国、米帝国、EU・・)が内側に向けて、緩かに閉じてゆく姿がリアルな近未来と考えます。
日本は、中華帝国の東の辺境になるか、米帝国の西の辺境になるか、別の道をゆくかの三択となると予測します。地図を見れば解りますが、欧州を中心に描かれている地図では、日本は極東に位置し、環太平洋国家である米国を中心に描かれている地図では、日本は太平洋を跨いで西の辺境に位置します。日本は、帝国から見て辺境国なのです。日本人は、自分たちは辺境の民であることを自覚する必要があります。
辺境の民ゆえに、近隣の帝国からの干渉は普遍的な現象です。帝国は内側に閉じてゆきますが、帝国を維持繁栄させるために常に後背地を必要とします。後背地とは、余った食糧や商品を売りつけられたり、兵器を売りつけられたり、労働力を徴用されたり、兵器を消費する戦場にされたりと酷い扱いを虐げられる場所です。中華帝国と米帝国は日本を後背地として位置づけようとするでしょう。日本は、帝国からの干渉と対峙するために、日本と同様な辺境国との連携(合従)を必要とします。私は、その国が韓国、台湾と考えます。
連携(合従)に必要なことは、第一に信頼関係です。信頼関係の構築には、市民レベルでの文化交流が大切です。文化とは衣食住そのものです。80年代前半の頃は、キムチは辛い、焼肉は煙りとニンニク臭い、と敬遠されてましたが、今では日本人の定番人気メニューです。お互いを知り文化を体験することが信頼醸成の要です。私は、日本人旅行者が、慰安婦少女像に花を手向けたり、千羽鶴を置いたり、紙風船を置いたり、若い世代が屈託無く少女像を囲んで笑顔で写真を撮ったりしても良いと思います。慰安婦少女像の隣にある、誰も座っていないイスの意味は、[未解決のまま多くの慰安婦が亡くなっていった]ことを意味してます。政府レベルでの取り決めは取り決めとして、悲しんでいる人が存在するのは事実なのだから、加害者側はそれを受け止める度量があっても良いと思います。儒教圏は、年配者を敬う文化です。日本の若い世代が率先して、韓国の年配者を敬えば両国の信頼醸成に繋がると思います。
その信頼醸成の積み重ねが安全保障の礎となるのです。
続く