認知症高齢者グループホーム勤務
佐藤 信行
古今東西お馴染みの史実は、意外な所で関係していることを俯瞰してゆきたいと思い、連載のタイトルを「風が吹くと桶屋が儲かる」としました。
織田信長の天下統一に、鉄砲が重要な役割を果たしたのは周知の事実です。1543年に中国人倭寇船が種子島に漂着、同乗していたポルトガル人が鉄砲を伝来、その実演を行い、島主種子島時尭に売却したとされてます。時尭は、火縄銃一挺につき二千両で、合わせて二挺購入し、鍛冶職人に仕組みを調べさせ、国産火縄銃開発に成功しました。銃は和泉国堺や紀伊国根来で生産され、以降国内の戦国大名家へ広まってゆきます。
鉄砲の存在は、主力であった騎馬隊の突撃戦法を無力化させる程、戦場にイノベーションを惹き起こしました。信長は、戦国最強の武田騎馬隊を最新兵器鉄砲を運用して壊滅させます。
戦国時代半ば、(16世紀中期)鉄砲を積んだ中国人倭寇船が、種子島に漂着タイミングは絶妙でした。倭寇船とは、武装商船のようなものと推測します。この船に同乗していたポルトガル人の目的は不明ですが、欧州キリスト教カトリック教会宣教師が、スペイン船やポルトガル船に乗って、アジアやアフリカ方面へカトリックの布教を開始した時期と重なります。1549年に来日した、カトリック教会イエズス会のフランシスコ・ザビエルは有名ですが、同様の宣教師がアジアやアフリカ方面で布教活動を展開していました。種子島に漂着したポルトガル人も、なんらかの使命を負っていたものと推測されます。
16世紀中期、カトリック教会がアジアやアフリカ方面へ布教活動を展開するに至る問いの答はいろいろあります。How に対する答は、大航海時代となり船舶の製造、操船技術が向上したことです。では、Why に対する答は何でしょう?答は、宗教改革によるプロテスタントの勃興です。