認知症高齢者グループホーム勤務
社会福祉士 佐藤藤 信行
カトリック教国スペイン・ポルトガル型グローバリズムに対する徳川幕府の外交及び安全保障政策は「鎖国」です。過去500年間の覇権国家の推移は、16世紀はスペイン・ポルトガル、17世紀はオランダ、19・20世紀はイギリス、20世紀はアメリカとなります。これらの国々に共通するのは海洋覇権国家であり強力な海軍を有していたことです。
信長はキリスト教(カトリック)の布教を許し交易を奨励しましたが、秀吉・家康はキリスト教の布教に警戒心を抱き、秀忠の代で禁教・鎖国となりました。信長は天下統一の過程で、石山本願寺を拠点とする一向一揆(宗教団体の反体制活動)対策に、キリスト教(カトリック)の布教を一向衆の弱体化に利用しました。ところが予想以上のキリスト教(カトリック)浸透が、武家政治に支障をきたすことを危惧した徳川幕府はキリシタン禁教令を施行するに至ったとされるのが通説です。
当時の覇権国家スペイン・ポルトガルの外交政策は、対象国へカトリックの宣教師を送り込みキリスト教を浸透させ、次に商人を送り込み経済に影響を及ぼし、最後に軍隊を派遣して征服します。現在南米にカトリック教国が多いのは、16世紀にスペイン・ポルトガルに征服され植民地になった名残です。織豊政権から徳川政権へ移行する時代に、天下人はオランダ人から、カトリック覇権国家スペイン・ポルトガルのアジア、アフリカ諸国への征服計画を知り得ました。故に、鎖国になってから長崎の出島でオランダのみ交易が許された訳です。