蘇民将来
理事 佐藤信行
『抗体検査5.9%陽性 市中感染の可能性』
これは4月30日の東京新聞第一面トップ見出しです。新型コロナウィルスの感染実態を調べるため、民間クリニックが都内の希望者202人(20歳~80歳の 男性123人・女性79人)にウィルス抗体検査(4月21日~28日)をしたところ、一般市民4.8%・医療従事者9.1%・市民➕医療従事者合計で5.9%の男女共に6人計12人が陽性(抗体あり)で、過去に感染していることが分かりました。
僕の乱暴な計算ですが、仮に抗体検査により陽性(都内の市中感染)が5%とすると、東京都内人口1200万人の5%=60万人が陽性となります。この数字はメディア等で発表されている数字の100倍です。抗体検査陽性60万人の内 150人(検査期間中の都内犠牲者)=0.25%が犠牲者率となります。0.25%の犠牲者率とは、欧米の犠牲者率の10分の1です。
ここで一つの疑問があります。日本人の犠牲者率は何故欧米諸国に比べて低いのでしょうか?僕なりに、新型コロナウィルス感染の仕組みを勉強しました。人の身体には、侵入したウィルスを取り込む「AC E2受容体」という細胞があります。ウィルスを野球のボールに例えるならば、AC E2受容体はグローブです。日本人はAC E 2受容体(グローブ)の数が多いそうです。では大変!とはならず、不思議なことに日本人のAC E2受容体(グローブ)の内側は「ぬめり」を帯びていて、侵入したウィルス(ボール)は「なんかヌルヌルしていて嫌だなぁ~」とキャッチされるのを迷っているうちに、代謝効果で体外に排出されてしまうとのことです。尚且つ、ウィルスは身体に『抗体』という宝物を残してゆくのだそうです。
この「ぬめり」の正体が「フコイダン」と云われるもので、主に海藻類に多く含まれています。例えば、昆布やワカメです。日本人は古来食生活の中で海藻類を多く食してきました。この生活習慣が、AC E2受容体がウィルスを取り込み難くして、結果、日本ではPCR検査数が圧倒的に少ないことを考慮しても、欧米諸国に比べて犠牲者数が桁違いに少ない理由の一つに考えられるそうです。ただし、海藻類は甲状腺に疾患のある方は食べ過ぎに注意です。
また、緑茶も腸内環境を良くして感染防止に役立っています。シンプルに考えてみれば「欧米人が食べずに、日本人が食べているもの?」は、海藻類、味噌汁、納豆、糠漬けです。キーワードは、海藻類、大豆、発酵食品です。豆腐とワカメの入った味噌汁、納豆、糠漬け、海苔、つまり典型的な日本の朝御飯が低い犠牲者率に貢献しているのではないでしょうか?古来、日本人の食生活は、味噌・醤油・納豆・漬け物と云った発酵食品を多く摂取してきました。これらの善玉菌は腸内環境を整備して免疫力を高め健康維持に役立っています。フコイダンと発酵食品が僕たちの健康を守ってくれているのですね。
現代の問題の解は、過去を探せば見つかると思います。試練は、風土・信仰・文化・生活習慣・先人の祈り・知恵・技・術を改めて見つめ直す機会を与えてくれます。日々の生活の中に取り入れることが僕たちの暮らしを豊かにしてくれます。ご先祖様に感謝です。