リハビリ奮闘記その1
理事長 山田 育男
Cさんは1ヶ月の入院期間を終え、4月上旬に退院され、縁パワーの運営するグループホームに戻られました。入院当初の病気は薬の効果で回復したものの、それ以降、様々な病気が併発してしまい、長い入院となりました。ベッド生活が長引いたこともあって、両足が右側に傾いてしまい、かつての手引き歩行さえ難しくなってしまいました。そのため、Cさんは数か月前の生活に取り戻すにはリハビリが必要となりました。
ただし、入院直後で免疫力が低下していため、食事は以前ほど召し上がることができないばかりか、リハビリを行うエネルギーも持ち合わせていませんでした。また、介護サービスにつながっていなかったため、介護認定が決定するまではリハビリや日中活動に行くことができません。縁パワー職員が24時間体制でCさんをお支えする日々が続きました(もちろん、現在もこの職員体制は続いています)退院後の1ヶ月期間は、夜間は1時間置きに水分補給やおむつの交換などの介護をさせていただきました。Cさんが全力で頑張られているので、縁パワー職員はそれ以上に心を込めて介護させていただきました。
食事は入院前のようにたくさん召し上がることができなかったですし、誤嚥を回避するために食事内容も舌で噛みやすい食事に変更を強いられました。また、水分やゼリー等を召し上がっていただく際は、トロミにする粉を混ぜて召し上がっていただいています。また、ムース食を取り入れて、食べた感を味わっていただくこともさせていただいています。病院では4割程度の食事しか召し上がらなかったようですが、縁パワーでは完食の日が多いですので、ホッとしているところです。
Cさんの生活はベッドでの生活が続いていますが、1日中ベッドに横になっていると病気の再発もありうるとのことで、医師からはベッドから車いすに移乗してしばらく座る姿勢にしてもらいたいという指示がありましたので、昼食をとっていただく際は職員2人かがりで車いすに移乗する時間を設けています。
もちろん、ただずっと車いすで座っているだけではご本人も退屈でしょうから、グループホームのお庭で日向ぼっこをしたりイオンモールまで散歩したり買い物したりするようになりました。Cさんにとって部屋でずっといるより、太陽を浴びたり人が集まっている場所にいくことで脳に刺激があると思ったので、晴れた日には必ずイオンモールへ行って大好きなプリンなどを買いに行くようにしていました。Cさんも「散歩行きたい」といわれるようになりましたので、本人なりの楽しみにもなっていたのだろうと思います。雨が降りそうな天気の場合はイオンモールに行くことを控えて、近くのコンビニに行き、大好きプリンを買ってグループホームに帰宅することもありました。
4月上旬から5月までは介護サービスや医療機関のリハビリにつながることができませんでしたが、縁パワーの理事長と副理事長の2人が積極的な声掛け、食事介助、身体介助、散歩支援などに取り組んで笑顔や言葉も多くなってきました。また、親御様にも状況をその都度報告したり、グループホームに面会に来て様子を見ていただいたりしました。
4月から5月の介護および支援は、私たち縁パワーにとっても支援力を高めて、成長することができた期間だったと思います。その意味では、Cさんに様々なことを教えていただいたことに深く感謝したいと思います。
利用者さんは私たち縁パワーにいつも問いを投げかけてくる哲学者であり、先生ですね。私たちは利用者さんからの問いかけを誠実に応答する責任があります。
Cさんのリハビリ奮闘記が具体的なかたちで結実するのは、介護サービスおよび医療機関のリハビリがはじまる6月上旬からになります。
これについては、別の機会にまとめたいと思います。
※以前は上記の写真のように、一口大にしたお食事を普通に完食できるほど食欲がありましたので、そこまで食欲が回復できればうれしいですね。